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はしがき —土光臨調から小泉構造改革へ 並河 信乃
第1部 これからの改革を考える —土光臨調20周年記念講演より— 1 改革は成就させたい 亀井 正夫 2 新たな公務員制度をつくることが次の課題 橋本 龍太郎 3 これからの構造改革 加藤 寛 4 やらざるをえない地方分権 諸井 虔 5 遅々とした歩みの規制改革 宮内 義彦 6 民主主義国家の標準装備の整備 塩野 宏 7 土光臨調と小泉改革 牛尾 治朗 8 JR発足後14年 松田 昌士 【パーティーでの挨拶】 中曽根 康弘 石原 伸晃
第2部 総論・行革をめぐる力学 1 行革と政治過程 / 曽根 泰教 1 行革の政治 2 政治的アジェンダとしての行革 (中曽根行革) 3 連立政権時代の行革 4 中央省庁再編 (橋本行革) 5 内閣機能の強化 6 改革の4条件
2 土光臨調とグローバル・エコノミー —土光臨調以降20年の経済政策—/ 田中 直毅 1 グローバル・エコノミー成立の日付 2 ガバナンスの視点の欠如と一国主義 3 「官と民」の関係性の先にあったもの 「国独資」とケインズ 価格調整が優位する時代の到来 4 ハーベイ・ロードか、合理的期待形成か 5 政府は賢明か 6 マイクロ・ストラクチャーの把握に至らなかった臨調路線 7 必要だった行政評価と誘因の設計 8 マイクロ・ストラクチャー・レベルでのガバナンス
3 日本の市場開放と外圧 / 草野 厚 1 日米経済摩擦の原因 2 市場開放にかかわる交渉 3 日本市場開放(規制緩和)と内圧 4 繰り返される政府の決意表明 5 内圧としての諸要素 (1) 細川改革政権の誕生 (2) 政治の偶然 (3) 財政再建と規制緩和 (4) 行政改革委員会の審議方法 (5) グローバリゼーションと企業 6 結論
第3部 各論・行政改革の軌跡と今後の課題 1 財政改革 / 宮脇 淳 1 第2次臨時行政調査会以降の財政運営 (1) 80年代、財政再建の矮小化とリスク移転構造 (2) 90年代、揺れ続けた財政運営 (3) 有効需要政策の限界とミクロ的対応の必要性 2 財政情報の質と行革理念 (1) 取引コスト理論とエイジェンシー制度 (2) NPM理論の台頭 3 地方行財政改革の位置づけ (1) ストックサイクルの到来 (2) 財政と金融の循環構図 (3) ローカルスタンダードの重要性と公民関係 (4) 財政投融資制度改革 4 財政再建への戦略
2 税制改革 / 並河 信乃 1 「増税なき財政再建」 「増税なき財政再建」の役割 「増税なき財政再建」の変質 「増税なき財政再建」の放擲 2 消費税の導入と高齢化対策 消費税の導入とゴールドプランの策定 国民福祉税と新ゴールドプラン、消費税率の引き上げ 3 法人税制、所得税制の改革 法人税の国際水準化 所得税減税と税率のフラット化 4 国民負担率の推移 真の財政構造改革とは
3 規制改革 / 鈴木 良男 1 規制緩和のあゆみ (1) 第三のステージに入る規制緩和 トラホームで始まった規制緩和 低調を託った第三次行革審までの流れとようやく訪れた転機 規制緩和小委員会が火をつけた 規制改革という発想の台頭 (2) 規制緩和から規制改革へ —市場と規制のバランスが重要 (3) 規制緩和の推進母体 —民間委員が中心の異色の審議会 (4) 規制緩和の経済効果 (5) 規制緩和に反対する3つの間違った議論 規制緩和は雇用を奪うのか 国内産業の高コスト構造は当然なのか 社会的規制に名を借りた経済的規制 2 個別規制緩和の進捗状況と今後の課題 (1) 先行した経済的規制の規制緩和 1 情報通信分野 2 エネルギー分野 3 金融分野 4 流通分野 5 運輸分野 6 雇用労働分野 (2) これから改革が必要な社会的規制 1 医療分野 2 福祉分野 3 人材(労働)分野 4 教育分野 5 環境分野
4 3公社の民営化と特殊法人改革 / 松原 聡 1 臨調と民営化 (1) そもそも民営化とは (2) 民営化の取り組み (3) 臨調の取り組み 2 3公社改革 (1) 公企業の問題を集約していた国鉄 (2) 国鉄改革 (3) 電電公社改革 (4) NTTの分割問題 3 ポスト臨調と特殊法人改革 (1) 行革審と特殊法人改革 (2) 第3次行革審と特殊法人改革 (3) 村山連立内閣の特殊法人改革 (4) 数合わせ・名ばかりの改革 (5) 特殊法人等の情報公開 4 橋本行革と民営化 (1) 橋本行革 (2) 郵政事業改革 (3) 郵政事業改革と財投改革 (4) 独立行政法人 (5) 独立行政法人と特殊法人改革 むすび 民営化の課題
5 地方分権 / 栗山 和郎 1 序論 正念場を迎える地方分権改革 「地方分権」という言い方 受皿改革論と制度改革論 2 地方分権改革の臨調以来の歩み 雌伏20年の地方分権 臨調答申にみる地方分権 —優先度低く、未熟な認識 第2次行革審の国・地方答申 —地方分権推進の端緒 豊かなくらし部会の志と挫折 —パイロット自治体 第3次行革審最終答申 —地方分権推進の立法法に道筋 地方分権推進委員会 —最大の成果は期間委任事務制度の廃止 地方分権推進委員会の成功に学ぶ 地方分権改革会議 —弱い法令上の位置づけ 3 地方分権の主要課題 国・都道府県・市町村の役割分担の見直し 税財政改革 —税源移譲と新しい財政調整制度 地方制度改革 —市町村合併と都道府県のあり方
6 政府機構と公務員制度改革 / 田中 一昭 1 内閣機能の強化と総合調整機能の強化 (1) 行政改革のたびごとに取り上げられる課題 (2) 縦割り行政の弊害はなぜ起きるか (3) この点について橋本行革をどう評価するか 2 機構の簡素化・弾力化 —中央省庁の再編— (1) 省庁再編論議の沿革 (2) 行革:中央省庁再編の評価 3 定員管理の手法と限界 (1) 国家公務員の定員管理の沿革 —法制と手法— (2) これからの定員管理 4 公務員制度の改革 (1) 第1臨調及び第2臨調における公務員制度改革 (2) 行革会議最終報告の公務員制度改革
7 行政手続・情報公開・政策評価 / 後藤 仁 ・ 三宅 弘 1 行政手続 制定に至るまで 行政手続法を出発点に 2 規制の設定又は改廃に係る意見提出手続(パブリックコメント) 3 政策評価 自治体の行政改革 政策評価法へ 政策評価法の内容 4 情報公開 情報公開法の意義 市民運動と自治体条例 国レベルの停滞 政党の働き 政権交替を機会に 条例裁判の成果 司法改革へ 情報公開法の活用 5 文書管理 文書管理の重要性 公文書館制度 電子文書
講演者・執筆者略歴 |
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書評 |
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| 掲載日: 2002年 掲載紙: 公共選択の研究 39号 [発行:現代経済研究センター] 評 者: 谷口 洋志(中央大学教授) 内 容: 1.はじめに 行政改革をはじめ国民的レベルの運動にまで発展させることに成功したのは、第2次臨時行政調査会(第2臨調、1981年3月〜1983年3月)の功績であった。調査会の会長は土光敏夫経団連名誉会長がつとめ、この土光会長がリーダーシップを発揮したことから、第2臨調は別名「土光臨調」とも呼ばれている。本書は、「今日の行政改革の流れは、この土光臨調を源泉としている」(はしがき)という立場から、土光臨調意向の過去20年間の行政改革運動を統括し、今後を展望したものである。 2.本書の構成と内容 2.1 構成 本書は、編著者による「はしがき—土光臨調から小泉構造改革へ—」のあと、3部構成となっている。第1部は行政改革運動の推進者たちによる講演内容を収録し、第2部と第3部は行政改革の関係者や研究者による行政改革論を収録する。そのうち第2部は総論を取り上げ、第3部は各論を取り上げている。 全体を読み通すと、行政改革の全体像と詳細についてかなりの情報を得ることができる。執筆陣の顔ぶれと内容の深さの両方において、本書のもつ情報的価値はかなりのものである。以下では、各部の内容について紹介したあと、若干の論点についてコメントする。 2.2 第1部 第1部は、「これからの改革を考える—土光臨調20周年記念講演より—」というテーマのもとで、土光臨調やその後の行政改革において重要な役割を果たした8人の論者による講演と、2人のパーティでの挨拶を収録する。これらは、2001年8月に行革国民会議が開催した「土光臨調20周年記念講演会」の内容をほぼそのまま収録したもので、講演会の雰囲気が伝わってくるような臨場感あふれるものとなっている。 講演者には、行革について語らせるならこの人を絶対に外すことができないと思われるような豪華メンバーが勢揃いしている。すなわち、亀井正夫(住友電工相談役)、橋本龍太郎(元首相)、加藤寛(千葉商科大学学長)、諸井虔(太平洋セメント相談役)、宮内義彦(オリックス会長)、塩野宏(亜細亜大学通信制大学院教授)、牛尾治朗(ウシオ電機会長)、松田昌士(東日本旅客鉄道会長)の8氏である。また、パーティでの挨拶者は、土光臨調時代に行政管理庁長官および首相として行革をサポートした中曽根康弘氏と、小泉内閣のもとで行政改革担当大臣として行革推進の中心にいる石原伸晃氏の2人である。 講演会メンバーのうち、亀井、加藤、牛尾3氏は、第2臨調に設置された特別部会の部会長ないし部会長代理として、文字通り、土光会長とともに行政改革運動をリードした人たちである。これらの3氏は、松田氏とともに、国鉄の分割民営化の立役者としても知られている。また、諸井、宮内、塩野の3氏は、第2臨調以降の行政改革運動をリードし、現在もその中心にいる人たちである。 このうち諸井氏は地方分権の推進、宮内氏は規制緩和・規制改革の推進、塩野氏は情報公開と行政手続法の推進に深く関わり、いずれも強いリーダーシップを発揮してきた。橋本氏の存在もユニークである。土光臨調が誕生して最初に取り組んだのは「増税なき財政再建」、すなわち歳出削減を中心とする財政赤字削減であった。橋本氏は、当時、自由民主党の行政調査会会長としてこの問題に取り組むとともに、1996年には首相として行政改革を含む幾つかの構造改革を推進した人物である。 このように、第1部の講演者はいずれも行政改革運動の中心にいて議論をリードする立場にあった人たちである。その意味で第1部の内容は、行政改革を内側からみた貴重な証言の記録であり、行政改革運動のリーダーたちがさまざまな側面から行政改革について熱く語っているのが印象的である。講演全体を通じて伝わってくるのは、以下のようなメッセージである。すなわち土光会長のリーダーシップのもとで、土光臨調は行政改革の流れを作ることに成功した。特に国鉄の分割民営化を中心とする3公社の民営化を実現させただけでなく、税財政改革、規制改革、特殊法人改革、政府機構と公務員制度改革などの端緒を開いた。しかし、構造改革という点から見れば、土光臨調はきっかけを作ったにすぎず、地方分権や情報公開などを含む諸制度の改革には1990年代以降の努力や運動が不可欠であったし、現在もなおその継続が強く求められている、というものである。 〜 以下略 〜 掲載日: 2002/03/15 掲載紙: 月刊 地方自治職員研修 第33巻 No.3 通巻449号 [発行:公職研] p95 内 容: 土光臨調から20年 行政改革の歴史を紐とく 「増税なき財政再建」を掲げ、国鉄・電電公社の民営化を提案、また地方分権の端緒ともなった土光臨調。それから20年間の行政改革の歴史を、改革の当事者であった中曽根・橋本両氏をはじめ、諸井氏、宮内氏、牛尾氏らが語り、また行革の研究者、実務家として並河氏、田中直毅氏、宮脇淳氏らが論じる貴重な一冊。 これまでの行革を振り返る中で、各氏はその成果と限界を指し、今後に残された課題と希望を明らかにする。編者は、国と地方の明日の姿を描く判断材料になれば、としている。 掲載日: 2002/03/03 掲載紙: 日本経済新聞 22面 内 容: 81年に発足した第2次臨時行政調査会、通称「土光臨調」以降の20年間にわたる行革の歴史の記録である。橋本竜太郎、亀井正夫、加藤寛の各氏ら臨調に直接かかわった面々がそれぞれの体験談とこれからの展望を語っている。臨調とグローバル経済や日本の市場開放と外注など行革をめぐる力学、財政改革、税制改革など個別テーマについても解説、行革を考えるうえでのテキストブックとなっている。 掲載日: 2002/02/20 掲載紙: 政府刊行物新聞 1面 内 容: 行革の過去・現在・未来 1981年3月に第2時臨時行政調査会が発足した。この調査会は「土光臨調」と一般にいわれているが、当時の財政危機に対処するため「増税なき財政再建」の旗を揚げ、歳出全般の見直しを行い、また、国鉄・電電公社などの民営化策を提案した。そのほか、規制緩和や地方分権、情報公開などの課題にも一応の検討を加えている。行政改革の歴史は戦前にも遡るものであるが、今日の行政改革の流れはこの土光臨調を源泉としていることは間違いない。 土光臨調がそれまでの行政改革の議論を一新したのは、行政改革の議論において「官民の役割分担論」を正面に強く押し出したことによる。では、その成果はいかなるものであったか。これについてはさまざまな評価ができるが、行政改革を一般国民の関心の的とし、歴代内閣の最重要課題の一つにしたという功績は大きい。また、国鉄の分割民営化を実現したこともあげられよう。 本書は、土光臨調からその後の「橋本行革」を経て、現在の「小泉構造改革」に至る20年の歩みを総括し、これまでの到達点とその意味をしっかりと認識するために、その軌跡を記録したものである。 |
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