はじめに
目次
第1部 いまなぜ市町村合併なのか
第1章 地方分権の流れと市町村合併
1 市町村合併と市町村職員
主体的な市町村合併の検討を
自治の強化と分権型社会への転換のために
2 地方分権改革
地方分権一括法の制定
分権改革の目的と理念
分権改革の内容
分権改革の残された課題
3 地方分権のための「受け皿」論
4 全国市町会の提言と「選択的分権」の動き
第二次臨調答申と全国市町会の提言
中核市制度の提言
二層性を前提とした分権論
5 「受け皿」論としての市町村合併推進論の再浮上
合併特例法の大改正
地方分権推進委員会「第二次勧告」
第2章 財政危機と市町村合併
1 借金大国 日本
国際的に突出している日本の財政赤字
地方自治体の赤字が深刻
2 危機的な状況の地方財政
戦後3回目の地方財政危機
財政危機を示すさまざまな指標の悪化とその背景
地方自治体が直面する3つの課題
3 自由のきかない地方財政制度
歳出の自治がない
歳入の自治がない
今後の地方分権推進・構造改革と地方財政
4 財政の効率化と市町村合併
住民数と財政支出の関係
規模の経済性
面積と財政支出の関係
市町村合併と財政的効率性
第2部 市町村合併を考える4つの手がかり
第3章 市町村の“適正”な大きさ
1 仕事の質を保障するために
必要最小限の仕事をするために
指針の示す最低限必要な大きさ
2 最も公立のよいサイズとは
最低の規模と最適な規模
U字説
L字説
最適規模
3 人口だけで考えていいのだろうか
青森市と明石市
南会津・吉野
4 サービスを受ける側の視点ははいっているか
5 満足感を高めるために
住民の生活感覚と行政界の一致
民主主義・参加に適したサイズ
住民による行政のコントロール強化
6 ただ大きくするだけでなく
第4章 市町村経営と組織再編
1 これまでの自治体組織
必置規制による組織編制とはなにか
機関委任事務と組織編制
補助金行政と自治体の経営
2 自治体の職員の能力アップ
求められる改革
議会も改革が必要
改革のきっかけとしての市町村合併
どんな職員が求められているか
多様な職員間の競争の激化
合併で充実する専門職員
自治体職員の高まる能力
3 合併後の組織運営のあり方
自治体が自立できる組織が必要
政策形成過程における企画部門の強化
政策法務体制の整備
職員研修の見直し
住民参加の機構づくり
4 合併後の組織の課題
人事上の問題
組織文化の問題
組織統合を円滑にすすめるには
支所・出張所はどうなるか
合併後のコミュニケーションの問題とITの活用
第5章 住民自治と市町村合併
1 市町村の区域・規模と住民自治
市町村合併は住民自治の後退につながるのか
小規模町村ほど自治は充実しているのか
住民自治の拡充に必要な取り組み
行政任せにしておいて行政の応答性は確保されるのか
行政の応答性を確保するための住民の役割
2 住民自治組織のイメージ
住民自治組織の必要性
町内会・自治会組織の現状
町内会・自治会組織の問題点と可能性
コミュニティ施策
コミュニティ施策の先進事例と可能性
3 新しい住民自治組織の可能性
事例からみた既存組織の課題
住民自治組織の体制
住民自治組織と行政との関係
4 市町村合併に伴う住民自治組織づくり
従来の地域への配慮
地域審議会制度の概要
地域審議会制度の活用
市町村合併を住民自治の拡充につなげるために
第6章 市町村合併と都道府県・広域行政
1 市町村合併後の都道府県の姿
広域行政のメリット
市町村合併と都道府県制の見直し論議
2 都道府県の役割の見直し
都道府県に固有の機能とは何か
三重県の取り組み
ユニット方式と“逆委託”
3 市町村合併に対する都道府県の役割
都道府県に求められる姿勢
都道府県の役割その1:合併に伴う都道府県の自己改革の明示
都道府県の役割その2:合併による懸念を解決するための仕組みづくり
都道府県の役割その3:市町村が合併について真剣に検討するための条件整備
4 市町村合併と広域連合・都道府県
市町村合併しか選択肢はないのか
事務の共同処理方式の現状
事務の共同処理方式の限界
広域連合制度の可能性
広域連合制度による補完機能と都道府県の役割
第3部 市町村合併の実際を見る
第7章 市町村合併の仕組みと準備作業
1 合併協議会
その性格
その設置
その協議事項
2 合併協議会の設置まで
庁内での勉強会・研究会
相手市町村との勉強会・研究会
任意の協議会
3 住民発議の場合
住民発議制度導入の背景
住民発議制度の仕組み
住民発議運動
青年会議所と住民発議
住民発議で設置された場合の合併協議会
地域の未来を考える契機として
4 事務事業のすり合わせ
事務事業のすり合わせの体制
システムの統合など
公共団体の統合など
5 新市町村建設計画
6 新自治体のアイデンティティ
7 市町村合併の意思決定
第8章 市町村合併の財政的影響
1 市町村合併による財政の効率化
市町村合併が財政の効率化をもたらす3つの理由
管理部門の効率化
三役・議員の総数削減
重複投資を避けることによる投資的経費の節減
2 市町村合併による住民負担の軽減
「サービス水準は高い方jに、料金は低い方に」の難しさ
あきる野市の合併協定項目
行財政改革と住民負担
3 市町村合併による行財政基盤の強化
行財政基盤の強化をもたらす3つの視点
投資効果の拡大
投資拡大と人口増による地方税の増収
行政サービスの高度化・専門化への対応
4 市町村合併の財政的影響
員弁地区の合併シミュレーション(類似団体によるもの)
伊奈町・谷和原村のシミュレーション(財政フレームによるもの)
ひたちなか市の財政状況比較(実際の合併事例)
5 市町村合併のための国等による財政支援措置
地方交付税による財政措置
地方債の特例による財政支援
国庫補助金による支援措置
第9章 市町村合併の参考事例
1 さいたま市
市の概要
合併までの経緯
さいたま市の事例からの問いかけ
2 新潟市
市の概要
合併までの経緯
新潟市の事例からの問いかけ
政令指定都市と人口
3 西東京市
市の概要
合併までの経緯
西東京市の事例からの問いかけ
4 潮来市
市の概要
合併までの経緯
潮来市の事例からの問いかけ
5 中球磨5か町村
地域の概要
合併協議の経緯
中球磨5か町村の事例からの問いかけ
おわりに
著者紹介