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よくわかる社会保障と税制改革

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書籍 よくわかる社会保障と税制改革

福祉の充実に向けた税制の課題と方向

著者神野 直彦・星野 泉・町田 俊彦・中村 良広・関口 智
肩書き東京大学名誉教授・明治大学教授・専修大学教授・熊本学園大学教授・立教大学准教授)
発行日2012年8月8日
定価2200
本体価格2000
サイズA5判
ページ数228
ISBN978-4-87299-613-5

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目次

「よくわかる社会保障と税制改革」への緒言 ── 神野 直彦 9
1、先達としての「税制改革に向けて」  9
2、原点としての「税制改革の課題と方向性」  10
3、「原点」の充実を  12



第1章 社会保障の充実と租税・社会保険料───────── 町田 俊彦 17

はじめに ───────────────────────── 18
〇1 税制における社会保障負担のウエイト上昇 ─────── 20
 1 第2次大戦後における「平時の経費の膨張」と社会保障負担
 2 OECD加盟国における社会保障負担のウエイトとGDP比負担率の上昇
 3 日本における社会保障負担のウエイトとGDP比負担率の上昇
〇2 社会保障財源における社会保険料の地位 ──────── 28
 1 EU加盟国における社会保険料の比率低下、公費依存度の上昇
 2 日本の社会保障財源における公費依存度の低下から回復、低い社会保険料事業主負担の構成比
〇3 消費税の目的税化の問題点 ────────────── 32
 1 社会保険料事業主負担の引下げは賃金を上昇させるか?
 2 消費目的税による基礎年金税方式の問題点
 3 社会保障目的税化
〇4非正規労働者の被用者社会保険への編入と事業主負担の適正化 ───── 40
 1 社会保険事業主負担の賦課ベースを支払給与総額へ
 2 非正規労働者の負担能力の引き上げ
 3 条件整備としての納税者番号制度の導入
〇5 社会保険システムへの租税投入のターゲット化と「包括所得税」の確立を先行させる税制改革── 44
 1 所得比例型年金への一元化と税方式の最低保障年金
 2 医療保険・介護保険への公費投入の引き上げ
 3 認可保育所整備を中心とする保育所整備と住宅対策の充実
むすび ────────────────────────── 46



第2章 租税負担と税源配分─減税と直間比率是正の30年─ ── 星野 泉 51

〇1 税収確保を怠ってきた減税の30年 ─────────── 52
 1 直間比率是正の80年代
 2 間接税改革の考え方
 3 細川政権の国民福祉税構想
 4 財政構造改革案から「恒久的減税」へ
〇2国際比較で見た日本の公共部門 ──────────── 60
 1 公共部門の規模
 2 失われた30年の税制
 3 スウエーデンと日本の税財政システム
 4 増税で「転位」できない日本
〇3 税源配分と地方税 ─────────────────── 69
 1 税源配分の考え方
 2 地方税の構成
 3 地域再生型の地方税制へ
〇4 税制のあり方の検討に際して ───────────── 78
 1 普遍主義、選別主義と税制
 2 地方税の再分配機能について
 3 納税環境整備と番号について
 4 東日本大震災から



第3章 転機に立つ所得課税の原理的再検討──────────────────── 中村 良広 85

〇1 福祉国家の「ゆらぎ」と所得課税改革 ───────── 86
〇2 課税単位の再検討─世帯単位課税から個人単位課税へ ─ 91
 1 課税単位の概念と意義
 2 課税単位の諸類型
 3 課税単位の選択と評価
 4 市場経済の発展と課税単位
〇3 課税ベースの拡大─各種控除の再点検 ──────── 101
 1 基礎控除
 2 扶養控除
 3 配偶者控除
  3─1 見直しの論拠
  3─2 制度創設の根拠
  3─3 求められる原理的再検討
 4 給与所得控除
  4─1 給与所得控除見直しの背景
  4─2 見直しの具体案
  4─3 見直しの影響
〇4 所得税改革と福祉国家原理 ───────────── 122



第4章 グローバル経済下の法人税制─日本の法人税とEUにおける法人税のパラドックス ─ 関口 智 127

〇1 はじめに ────────────────────── 128
〇2 法人の負担に関する議論と測定方法 ───────── 130
 1 法人の負担とは
 2 法人税の負担に関する測定方法
 3 法人税収のGDP比率の国際比較
〇3 日本の法人税収の対GDP比 ───────────── 134
 1 日本の法人税の対GDP比の高さの要因
  1─1 法人税の対象範囲の広さ
  1─2 海外進出度の相対的低さ
  1─3 法人部門の所得の大きさ
〇4 EU諸国で2000年代に法人税のGDP比率が高まったのはなぜか? ────── 139
 1 法人税のパラドックス
 2 全法人部門の動向
  2─1 国民経済計算の限界と法人所得の動向(対GDP比)
  2─2 全法人部門の分配構造の動向(対GDP比)
  2─3 全法人部門の支払配当(対GDP比)の増加
  2─4 全法人部門の雇用者報酬(対GDP比)の低下
 3 法人部門内(部門別)の動向
  3─1 部門別法人所得の動向(対GDP比)
  3─2 非金融部門の動向
〇5 バブル以降の日本企業に何が起きたのか? ────── 155
 1 法人部門の動向
 2 全法人部門の内部留保の国際比較
 3 収益分配構造の変化
 4 支払・受取配当額の動向
  4─1 法人所得税統計での把握
  4─2 源泉所得税統計での把握
 5 人件費の動向:水準は同等か?
〇6 むすびにかえて ─────────────────── 170



第5章 社会保障改革における消費税 ───────── 177

〇1 社会保障と税の一体改革 ──────── 町田 俊彦 178
はじめに ──────────────────────── 178
 1 「社会保障・税一体改革成案」におけるカムフラージュとしての社会保障改革
  1─1 社会保障制度の充実(政策増)に必要な公費は消費税1%程度
  1─2 年金と高齢者医療の抜本的改革は先送り
  1─3 社会保険の適用拡大と自己負担の「総合合算」が社会保障充実の中心
  1─4 「将来不安」を強める「効率化」(政策減)
 2 「社会保障税・一体改革成案」閣議報告以降の社会保障改革案の具体化、見直し
  2─1 「社会保障・税一体改革素案」閣議報告まで
  2─2 2012年通常国会会期中の社会保障改革の具体化
 3 消費税の「社会保障目的税化」と財政再建の財源
  3─1 「成案」・「素案」における消費税目的税化と増税分の使途
  3─2 消費税の再増税
むすび ───────────────────────── 192
〇2 消費税引き上げに際して ───────── 星野 泉 195
 1 付加価値税(VAT)の負担構造
 2 負担緩和制度による逆進性緩和
 3 カナダの消費税逆進性緩和型税額控除(GSTクレジット)
〇3 税源移譲と地方消費税─ドイツの経験から───────────────────── 中村 良広 208
 1 消費税増税と税源移譲
 2 ドイツ付加価値税の政府間配分
 3 営業資本税廃止と市町村売上税参与
 4 日本への教訓

著者紹介 ──────────────────────── 224

おわりに ──────────────────────── 226

内容紹介

社会保障のなにがほんとうの問題なのか?

税の負担と分配は適正なのか?

社会保障と税制をめぐる日本の現状と課題を、海外の事例と比較しながら、第一線で活躍する著者たちが、それぞれの研究から問題点をわかりやすく解説。

真の社会保障と税の一体改革に必要な議論がここにある!

消費税問題を考える上でも必読の書!

書評

掲載日:2012/10/15

掲載紙:月刊 職員研修 10月号 2012 通巻第638号 p.96

内容:いまこそ必要な税制改革への視点



掲載日:2012/10/15

掲載紙:月刊 職員研修 10月号 2012 通巻第638号 p.96

内容:いまこそ必要な税制改革への視点

本書は、21世紀初めの構造改革、新自由主義の見直しを求め、社会保障の財源の確保をどうするべきか、再配分の観点から所得税、法人税、消費税を含めた租税体型の見直し・抜本改正を提言するものである。海外の事例とも比較し、税制や雇用・医療・介護・年金・生活保護などの社会保障の課題を明らかにしながら、一体改革に必要な論点を指摘。「社会保障と税の一体改革」が政治的妥協により部分的なものとして幕を引こうとする中で、本当の改革に向けた道筋が示される。



掲載日:2012/09/01

掲載紙:月刊 ガバナンス 9月号 2012 通巻第161号 p.132

内容:消費税率引き上げに緊急提言!

2012年8月、消費税率増税を柱とする「社会保障・税一体改革」関連8法案が与野党の賛成多数で可決、成立した。

法案成立により、現行5%の消費税率は14年4月に8%、15年10月に10%へ2段階で引き上げられる。

改革は、社会保障の充実・安定化と、安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指し、「社会保障・税一体改革大綱」(12年2月)閣議決定)などに沿って順次進められるが、様々な問題点も指摘されている。

本書は、そんな社会保障と税制をめぐる日本の現状と課題を、海外の事例と比較しながら、第一線で活躍する著者たちが、それぞれの研究から問題点をわかりやすく解説している。

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