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自治するまちのつくり方

自治するまちのつくり方
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書籍 自治するまちのつくり方

─愛知県新城市の「全国初の政策づくり」から学ぶもの─

著者松下 啓一
発行日2021年10月7日
定価1870
本体価格1700
サイズA5判
ページ数162
ISBN978-4-87299-887-0

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目次


目  次

はじめに 7

〇1.愛知県新城市
 1.新城市はどこにあるのか 10
★設楽原決戦場まつり(竹広・東郷地区) 14
 2.新城市の政策 15


〇2.新城市・全国初の政策
 1.若者の居場所と出番をつくる(若者政策) 18
 (1)若者政策とは 18
 (2)なぜ若者政策なのか 21
 (3)優れているところ 23
 (4)若者政策の成果 25
 (5)若者政策が開くもの 32
 ★有機農業の「SANAE&TSUTOMU有機菜EN」(富岡・八名地区) 33

 2.こんな選挙をしていたら、だめだ(公開政策討論会条例) 33
 (1)市長選挙立候補予定者公開政策討論会条例の意義 33
 (2)なぜ公開政策討論会条例なのか 36
 (3)優れているところ 38
 (4)今後の展開可能性 41
 ★湯谷温泉(湯谷・鳳来東部地区) 42

 3.公務員と市民の相互乗り入れ(自治振興事務所長の市民任用) 43
 (1)自治振興事務所長(地域自治区)の市民任用 43
 (2)なぜ市民任用なのか 45
 (3)優れているところ 46
 (4)成果と課題 47
 (5)市民任用が開くもの 48
 ★エコファーマー白井茶園(徳定・千郷地区) 49

 4.みんなで集まる・みんなで話す(市民まちづくり集会) 49
 (1)市民まちづくり集会 49
 (2)なぜ市民まちづくり集会なのか 51
 (3)優れているところ・ 53
 (4)市民まちづくり集会から生まれたもの 54
 (5)市民まちづくり集会の展望 56
 ★旧大野銀行(大野・鳳来東部地区) 57


〇3.全国初の政策づくりのヒント・条件
 1.全国初が生まれる条件・政策の窓モデルから 58
 (1)全国初 58
 (2)増分主義からは新しい政策は生まれてこない 60
 (3)政策の窓モデルから説明すると 61
 (4)全国初が生まれる条件・「政策の小さな窓」の開け方 61
 ★四谷の千枚田(四谷・鳳来北西部地区) 65

 2.発想・行動のよりどころとなる一貫した理念を持っている 65
 (1)住民自治 66
 (2)協働 67
 (3)まちづくり 69
 ★御菓子司・豊寿園(町並・新城地区) 70

 3. 理念を明示・記述したモノサシ(自治基本条例)を持ち、まじめに使う 71
 (1)自治基本条例はなぜモノサシになるのか 71
 (2)モノサシとしての自治基本条例の使い方 75
 ★道の駅「もっくる新城」(八束穂・東郷地区) 76

 4.決意や志をかたちに表す ─条例という政策形式とマニフェスト 77
 (1)政策形式としての条例 77
 (2)マニフェスト 78
 ★新城ラリー(鬼久保ふれあい広場・作手地区) 81

 5.条例に先行する政策事実を大事にする 81
 (1)政策事実があること 81
 (2)若者政策─立ち上がる若者と呼応する行政 82
 (3)公開政策討論会─ヤジと怒号にならない 84
 (4)市民任用─公務を担ってきた市民がいる 86
 (5)市民まちづくり集会─自治基本条例の検討の最初から 87
 ★仏法僧の鳴く山・鳳来寺山(鳳来寺・鳳来北西部地区) 88

 6.市長がリーダーシップを発揮する 88
 (1)地方自治法の首長・ 88
 (2)分権・協働時代の首長 89
 (3)穂積亮次市長の場合 90
 (4)全国初の政策のリーダーシップ 93
 ★長篠城跡(長篠・鳳来中部地区) 95

 7.奮闘する職員を育てる 95
 (1)地方公務員法の職員 96
 (2)分権協働時代の職員像 96
 (3)力を蓄えた職員 97
 (4) 奮闘する職員に聞く・森玄成さん(慈廣寺副住職・元新城市まちづくり推進課長) 99
 ★鳥原歌舞伎(鳥原・舟着地区) 102

 8.市民の出番をつくり、持てる力を発揮できるようにする 103
 (1)市民の役割・出番 103
 (2)活躍する市民・支える市民 105
 (3)市民リーダーに聞く・田村太一さん(株式会社田村組代表取締役) 107
 (4)市民リーダーに聞く・前澤このみさん(新城市社会福協議会会長) 110
 ★阿寺の七滝(阿寺・鳳来南部地区) 115

 9.協力する政策起業家と連携する 116
 (1)政策起業家・・ 116
 (2)政策起業家の活動 117
 (3) 政策起業家に聞く・今井邦人さん(住民参加・協働ファシリテーター)119
 ★歴史の小径(作手地区) 124


〇4. インタビュー(穂積亮次市長) 全国初の政策づくり─住民自治を切り口に
 1.「使える理念」としての住民自治 125
 (1)住民自治の背景 125
 (2)住民自治の理論 126
 (3)住民自治に基づく政策を始めるにあたって 128
 (4)住民自治のアイデンティティ 130
 (5)都市部と中山間地の住民自治 131
 (6)新しい政策の源泉としての住民自治 134

 2.ポピュリズムの風潮といなし方 137
 (1)ポピュリズムの風潮 137
 (2)政治行政問題ではなぜ二項対立的に考えるのだろう 139
 (3)選挙という仕組みとポピュリズム 141
 (4)多選をめぐって 144
 (5)統治機構の課題 146
 (6)ポピュリズムをどのようにいなしていくのか 150

 3.第4の改革としての新型コロナ騒動 151
 (1)新型コロナ騒動のなかで 152
 (2)新型コロナ騒動が明らかにしたもの 154
 (3)第4の改革の可能性 156

 4.2040年に向けて・地方自治の未来 157


 文化を紡ぐ、文化をつなぐ─終わりに 159


■インタビュー・取材協力等をいただいた方(敬称略) 161

内容紹介

 『自治するまちのつくり方-愛知県新城市の全国初の政策づくりから学ぶこと』(イマジン出版社)

・若者に1千万円の予算提案権を付与する若者政策・若者議会条例
・市長選挙の前に、公開政策討論会を公設で実施する公開政策討論会条例
・市民、行政、議員が一堂に会して、まちの未来を考える市民まちづくり集会
・地域自治区・自治振興事務所長の市民任用

など、全国初の政策を次々に提案、実施している愛知県新城市。

その秘密は、「住民自治から考えていく」ということです(政策主体としての若者、候補者の選挙から市民・有権者の選挙へ、自治経営の当事者としての市民)。

・地方分権改革は、団体自治改革にとどまっているという限界
・住民自治改革は、問題提起程度で実践が伴っていないという現状
これらを乗り越え、住民自治改革の観点から、政策課題を条例・制度にまで昇華させたのが、新城市の全国初の政策づくりのコツと言えると思います。

本書は、これら政策づくりに、アドバイザーとしてかかわった体験をベースに、「全国初の政策づくり」のコツを紹介するものです。

自治経営が、行き詰まっているなか、新たな地方自治を切り開く、ヒントになると思います。

書評

掲載日:2021/12/15
掲載紙:月刊自治研 2021年12月号 第63巻747号 p.63
内 容:

新城市

愛知県新城市。英語でニューキャッスル。面積約500平方キロ(横浜市より広い)、人口4万4000人。平成の合併によっても人口5万人を維持できなかった。愛知県内唯一の消滅可能性都市、愛知県内高齢化率最高市。
行き詰まりを絵に描いたような市だ。一方、「若者議会」という言葉を聞いたことがある方は多いだろう。これは新城市発祥の言葉だ。市には若者条例があり、若者議会条例がある。

全国初

アイディア行政にとどまらない。自治基本条例(2012年)から始まって、市民自治会議、若者議会、市長選公開政策討論会条例(20年施行。合併以来の市長が21年退任、条例の真価が問われている。松下の前著『選挙はまちづくり』イマジン出版参照)、地域自治区(地方自治法202条の4)の自治振興事務所長を市民から選ぶ市民任用制度、市民まちづくり集会などを積み重ねてきた。20年以上にわたる世界中の「ニューキャッスル」(つまり新しい城)「アライアンス」事業は国際交流の見本のようなものだ。
著者はそれらを「全国初の政策づくり」と呼ぶ。本書では、その発想の立役者の市民へのインタビュー、最後に市長インタビューが置かれている。
今年10月31日市長選が行われ新市長が誕生した。「全国初の政策」の検証が市民によって行われるだろう。私たちも関心を持ってみていこう。著者はこれらの政策のかなりの部分にアドバイザーとして関わっている。本書の価値はその先に輝くだろう。
コミュニケーション能力

書評子は横浜市職員時代の著者に会ったことがある。すべてのことにポジティブ、抜群のコミュニケーション能力。書評子の出不精、ネガティブ、人生に悲観的、の正反対の性格の人に出会って驚いた記憶がある。本書には「分権協働時代の地方公務員像」を論じた章があって、彼が求める職員像に納得がいった。「励ます地方自治」がモットーだ。本書のポイントの一つは「励まし方」を学ぶことかもしれない。

評者 菅原敏夫 本誌編集委員



掲載日:2021/11/14
掲載紙:朝日新聞 
内 容:全国初の施策 次々提案 新城市の取組みまとめる
新城市のアドバイザーとして、若者議会創設などを手伝った元相模原女子大教授の松下啓一さん(70)=神奈川県横須賀市=が、新城市の取組みを紹介する「自治するまちのつくり方」を出版した。人口約4万4千人(1日現在)の自治体が、全国初の施策を次々と提案することができた背景をまとめたという。
 松下さんは2008年、自治基本条例づくりの講演を機に新城市とかかわり始めた。市民まちづくり集会の条例化(12年)、若者条例(14年)、市長選の公開政策討論会条例(20年)などを助言した。
 著書では、市長選討論会を「知る権利」から組み立てて全国初の公設民営にしたことや、策定作業を元新城青年会議所理事長の田村太一さん(50)がリードしたことも振り返っている。松下さんは「消滅可能性都市と呼ばれた市で、市民と職員の力がかみ合って、政策の窓を開けてきた経験を、全国の自治体に発信したい」と話す。
 「自治するまちのつくり方」はイマジン出版から。1870円。穂積亮次市長へのロングインタビューも掲載している。



掲載日:2021/11/10
掲載紙:中日新聞 
内 容:市民参加型自治 先進・新城の足跡
 地方自治研究者で元相模女子大教授の松下啓一さん(70)=神奈川県横須賀市=が、新城市の住民自治政策を取り上げた「自治するまちのつくり方―愛知県新城市の『全国初の政策づくり』から学ぶもの」を出版した。

施策助言 松下さんが本出版 「多彩な条例 ほかの市町村も導入を」

 松下さんは2012年の新城市の自治基本条例の制定に携わって以降、住民参加を目指す各種施策にアドバイスしてきた。  著書では若者会議や市長選立候補予定者の公開政策討論会条例、自治振興事務所長の市民任用、市民まちづくり集会を取り上げ、今後の展望や他の自治体への波及事例を紹介している。
 事務方として政策をまとめ上げた元まちづくり推進課長の森玄成さんや、17年の市長選立候補予定者討論会の実現に尽力した田村組(新城市石田南畑)の田村太一社長のほか、福祉職がやりがいを持てる地域づくりのための諮問委員会のトップを務める市社会福祉協議会長の前沢このみさんら、市の自治政策のキーマンのインタビューを記載。12日に退任する穂積亮次市長にも、34ページにわたって住民自治への思いを聞いている。
 松下さんは「消滅可能性都市と呼ばれるまちからこれだけ多彩な条例が出た。他の市町村でも導入してほしいという思いから執筆した」と話している。A5判162ページ、1870円。インターネット上で購入できる。



掲載日:2021/11/01
掲載紙:月刊ガバナンス 2021.11 No.247(通巻271号) 132頁
内 容:「全国初の政策づくり」はなぜ実現できたのか
 若者条例・若者議会条例、公開政策討論会条例、市民まちづくり集会など、これまで次々と全国初の条例や政策を提案、実践してきた愛知県新城市。本書は同市の政策づくりに長年アドバイザーとしてかかわってきた著者が、その背景を掘り下げ、政策づくりやまちづくりの土台や条件を解き明かしたものだ。
 ここでいう全国初とは単に全国で初めてということではなく、国や他の自治体が切り開けなかった政策課題を乗り越え、全国で最初に政策を策定するという意味だ。新城市ではその「性s買うの小さな窓」をどう開けてきたのか。そこには「自治」さらには「住民自治」を進める大切なヒントが詰まっている。



掲載日:2021/11/04
掲載紙:東日新聞 総合面
内 容:地方自治「新城モデル」解説 元相模女子大教授・松下啓一さん出版

事例や市長らのインタビューなど満載

 元相模女子大教授で地方自治研究科の松下啓一さん(横須賀市在住)がこのほど、書籍「自治するまちのつくり方」をイマジン出版から出版した。13日PRのため東海日日新聞社を訪れた。
 松下さんは自治基本条例づくりを通じて新城市と縁を深め、長い間通い続けてきた。書籍では、市民を主役とした全国初の政策を次々と実現し、地方都市としてのプライドを創生して成長してきた同市のまちづくりを多方面から解説する。具体的な事例を詳しく紹介し、地方自治の「新城モデル」を発信する内容となっている。
 「新城市は住民の中にあるまちづくりの種を見つけ、連携して育てるのがうまい。行政と議会、市民が力を合わせ、まちを愛し誇りを作っている。その真髄を多くの人に知ってもらえれば」と話す。
 カラー写真を多く使い同市の魅力も紹介しているほか、穂積亮次市長をはじめ市職員や市民のインタビューも掲載し、気軽に楽しめる内容に仕上げた。「地方自治やまちづくりに興味のある人だけでなく、田舎暮らしをしてみたい若者などにも読んでもらいたい」

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