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水は誰のものか

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COPABOOKS 水は誰のものか

水循環をとりまく自治体の課題

著者橋本 淳司
肩書きジャーナリスト・アクアスフィア代表
発行日2012年10月15日
定価1320
本体価格1200
サイズA5判
ページ数130
ISBN978-4-87299-619-7

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目次

はじめに



1 世界と日本の水課題

 1 深刻化する水不足
 2 黄河で栄えた国が水不足で滅びる
 3 水の豊富な国、そうでない国
 4 ライバルのいない国
 5 震災前から危ぶまれていた水の確保
 6 更新待ったなしの水道管
 7 期待されるも進まない民間委託
 8 水の消費者になると問題が見えにくい


2 自治体の水道事業はなぜ海外を目指すか
 1 さかんに行われる首長のトップ営業
 2 水道事業の第3 セクター化を図る
 3 実施主体は3 セク、自治体と企業の連携
 4 水ビジネスで一歩先を行く北九州市
 5 カンボジアの浄水施設を次々と受注
 6 海外進出を迫られる自治体の危機感と課題
 7 水メジャーの国内進出というもう1 つの不安材料


3 海外水インフラPPP協議会

 1 インフラ整備を官民連携で推進
 2 ビジネスマッチングの場で提案された水技術
 3 都市問題対策の経験を日本の強みとして売る
 4 老朽管を管理・再生する技術
 5 日本は反省をふまえた技術協力を


4 開発途上国にフィットした技術をBOP ビジネスで展開する新潮流

 1 水エキスポで注目された安全・安価な浄水技術
 2 スリランカのウォーターボードとの契約
 3 ビジネス原理を利用し途上国の課題を達成する手法
 4 果たしてBOP は儲かるか
 5 水提供ではなくまちづくり支援
 6 安価な製品を提供してもペイできる


5 雨水を活用し洪水対策、水資源確保を図る

 1 雨水は蒸留水に近い
 2 雨水は生活用水に利用できる
 3 雨水貯留で洪水防止を図る
 4 被災地での雨水活用支援
 5 雨水活用都市に必要な大型貯留槽
 6 海外で本格化する雨水活用


6 地下水の利用と保全で悩む地方自治体

 1 自前の水源を確保する動き
 2 水源買収や過剰くみあげの危険性
 3 公水論と私水論
 4 保全を強化する動き
 5 条例に実効性はあるか


7 水循環基本法とはどんな法律か

 1 いくつもの省庁にまたがり、すき間から水漏れする水行政
 2 オールジャパンで水ビジネス行う体制づくり
 3 官僚の逆襲で当初目的を達成できず
 4 世界的水不足、震災の影響で活発化する地下水ビジネス
 5 失われつつある各地の名水


8 地下水の見える化で水マネジメントが変わる

 1 東京湾に注ぐ利根川の水
 2 地下水は公のものという認識
 3 適切な利用と保全が可能に
 4 外国人の土地取引も冷静に
 5 流域意識の芽生え


9 小規模コミュニティーには水道シフトが必要

 1 大量のエネルギーを使う上下水道
 2 「低・遠」の水源から「高・近」の水源へシフト
 3 重い負担になるダム受水
 4 浄水方法でコストや消費エネルギーは変わる
 5 クリプト対策で生物浄化法(緩速ろ過)を選択したまち
 6 復活する生物浄化法(緩速ろ過)
 7 限界集落を救った小規模給水施設
 8 人口の少ないコミュニティーでも持続できる下水道
 9 合併浄化槽の活用
 10 省エネ、低コスト、安定処理の散水ろ床法
 11 エネルギーや堆肥をつくれるコンポストトイレ


10 FEW(food、forest、energy、water)を自立するコミュニティー

 1 FEWの自立とは何か
 2 日本の森と水源がピンチに
 3 身近な木材を使うことの大切さ
 4 地下水涵養量を増やすしくみづくり
 5 使用量以上の水を涵養する工場
 6 農地にとっても大きなメリット
 7 食料生産には水が必要
 8 循環利用で食の自立を図る
 9 山間部で小規模水力発電を
 10 人が水の循環に与える影響


著者紹介

発刊にあたって

内容紹介

世界規模で深刻化する水問題に自治体は如何に対応するのか。

世界の水争奪戦の現状から、国内の水資源確保の動向など水政策の課題をわかりやすくまとめた一冊。

水・森・食料・エネルギーの地産地消のサイクルから見えてくる、自立した新しいコミュニティーのあり方とは。

「地下水の見える化」で水マネジメントが変わる。

書評

掲載日:2013/11/15

掲載誌:フジサンケイビジネスアイ (Fuji Sankei Business i.) 7面

内 容:

世界の水戦争が激化し、水ビジネスのメジャーが参入国の国民の生死を握る現実、水源地や森林が外国資本によって買収されている実態、過疎化や山林の放置、自然災害など、水の危機は身近に多く存在する。

世界の水事情を取材した著者は、大規模開発と大量消費を前提としたこれまでのシステムの横流しではなく、小規模かつ地域にあった水の確保や下水処理技術こそが喜ばれると、水ビジネスに乗り出す自治体に助言する。

各家庭の蛇口から清潔な水をいつでも手に入れることができる日本がまれであることを本書は教えてくれる。水道・下水道の課題、水のありがたみを痛感する一冊である。





掲載日:2013/06/07

掲載誌:自治日報 3面

内 容:

水不足は地球レベルで深刻化し、オーストラリアでは小麦の不作が続いているという。NPO法人地域水道支援センターの理事を務める筆者は、指揮を通じて比較的雨に恵まれている日本では、「水は『当たりまえ』にあるもの」と思われており、「水の課題に気づきにくくなっている」と指摘。「対岸の火事に見える諸外国の水問題」だが、著者は本書で、東日本大震災以降に地下水のりようが進んでいることや水道事業経営の行き詰まりなど国内の課題を取り上げ、その解決方法を解説している。

大震災以降、自前の水源を確保するために地下水の利用が進んでいるが、無秩序に汲み上げられると周囲に影響が出る可能性があるため、各自治体は水源保全や地盤沈下防止などを目的にする条例を制定。北海道ニセコ町の地下水保全条例などを紹介するとともに、「水循環基本法」制定の動きを解説する。

また、首長による水ビジネスの海外進出が目立っているが、これは「水道インフラが老朽化し更新時期を迎えているにもかかわらず多額の負債と収益低迷に苦しむ現状」のためだと分析。水道インフラの輸出は「国際貢献」と言われるが、単純なインフラ輸出は「問題の輸出になる」とし、「日本は地震の反省を踏まえ、相手国の将来までを踏まえた技術を提供するべき」と提言している。

さらに、これまで水道は、東京都に倣うことが多かったが、今後は都市は都市の、小規模自治体は小規模自治体のやり方を選択する必要があると指摘。エネルギーの分散が注目されているが、水道の「小規模」「分散」も検討する必要があり、水源と浄水方法を見直すことで安全・低コスト省エネを実現する「水道シフト」は持続可能な小規模コミュニティに必要だと強調する。国内のみならず、海外の事例を盛り込まれており。「水政策を取り上げた類書にない一冊」といえる。





掲載日:2013/02/15

掲載誌:月刊 地方自治 職員研修 通巻第643号 p.97

内 容:

本書は、日本における水の主要課題として、地球レベルで深刻化する水不足の影響とそれが生活に直結している実態、水資源の利用が進む一方でのルール整備の遅れの問題、水道事業経営の行き詰まりによる水道の持続性の3つを指摘。水事業の海外進出や、発展途上国で活かされる日本の伝統的浄水技術、雨水活用、地下水の活用・保全に関するマネジメント、小規模集落に適した新しい水道のあり方、水をめぐるコミュニティづくりなどによる課題への対応・解決方法を提示する。





掲載日:2013/01/27

掲載紙:日本農業新聞 6面

内 容:

地下水の利用権を持つ土地所有者とはいえ、水を際限なくくみ続ければ、周りの水環境に影響を及ぼす。「水は誰のものか」という問いは、人類の食糧問題や、自生する生き物の存続に関わる重大な問い掛けだ。本書は世界と日本の水資源の現状と課題、そして解決方法を論じる。

世界的な人口増加に比例して、農産物を創る水の需要は高まった。しかし水は限られたもの。地下水の枯渇など水資源の限界が危惧されている。そこで有限の水を無駄なく使うために、水の貯蔵や水質改善などの技術が求められる。これに目を付けたのが優れた水道事業のノウハウを持つ日本の自治体だ。彼らはそのノウハウを売ろうと海外に進出する。

良質な水源をもたない地域では、住民が生活用水を手に入れるために遠方まで湧水を汲みにいく。こうした状況の解決へ、高齢者が住む小集落では少ない投資・コストで小規模飲料水供給施設を整備・運営する事例も紹介している。

東日本大震災以降、エネルギーの自給自足を求める声が強まった。水資源も同様、限られた地域内で水を循環利用する必要性を本書は訴え掛ける。





掲載日:2012/11/01

掲載誌:地方議会人 2012 11 第43巻第6号 p.13

内 容:

世界規模で深刻化する水問題に自治体は如何に対応するのか。

世界の水争奪戦の現状から、日本国内の水資源確保の動向・上下水道問題など水政策の課題をわかりやすくまとめた一冊です。





掲載日:2012/10/19

掲載紙:自治日報

内 容:

水紛争が世界で多発という報道は一般に身近なものではない。しかし、輸入する小麦や大豆が水飢饉が原因で品薄高騰、水源地が外国によって買われていると聞くとどうだろう。

地下水脈の図を見ると驚愕する。変わらぬ太古からの水脈が足下に流れていることが自覚できる。自治体は水源地の保全や上下水道事業の健全化に腐心しているが、人口減少や高齢化、財政難などで課題は多い。また、海外に進出する動きもある。水源から飲み水まで、日本の自治体から海外まで水循環をめぐる諸課題が事例も豊富にこれ一冊でわかる。

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