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自治を担う「フォーラム」としての議会

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COPABOOKS 自治を担う「フォーラム」としての議会

―政策実現のための質問・質疑

著者江藤 俊昭
肩書き大正大学公共政策学科教授
発行日2023/12/21
定価1980
本体価格1800
サイズA5判
ページ数220
ISBN978-4-87299-952-5

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目次

はじめに…………………………………………………………………………… 7
序章 本著の意義:質問・質疑力と議会力の相乗効果… …… 18
第1部 質問・質疑をチーム議会に活用する…………………… 25
第1章 住民自治を進める質問・質疑の基礎… ……………………… 25
1.質問の意味転換… ……………………………………………… 25
2.質問と質疑は違う 質問と質疑の異同を新たな議会に活用する…… 31
3.質問・質疑の政治的磁場… …………………………………… 44
第2章 質問に磨きをかける… ………………………………………… 50
1.一般質問を「議員の」から「議会の」へと転換させる… … 50
2.地方政府形態の理解が生み出す質問の役割の相違… ……… 68
3.実現性ある質問… ……………………………………………… 79
4.討議を巻き起こす通告制… …………………………………… 90
5.文書質問の発見と課題… ……………………………………… 106
6.政治の磁場で作動する質問… ………………………………… 113
第3章 質疑の充実による議会力・議員力アップ… ………………… 123
1.質疑による議会からの政策サイクルの強化… ……………… 123
2.議案審査を充実させる会期日程と討論… …………………… 132
第4章 住民自治を進める質問・質疑のもう一歩:政策サイクルを意識する…… 140
1.政策サイクルを充実させる質問・質疑… …………………… 140
2.質問・質疑を充実させる政策サイクル… …………………… 145
3.議員力と議会力の相乗効果の条件… ………………………… 150
第2部 質問・質疑を充実させるフォーラムとしての議会…… 156
第5章 質問・質疑を充実させるフォーラムとしての議会… ……… 156
1.質問・質疑とフォーラムとしての議会… …………………… 157
目   次
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2.フォーラムとしての議会の意義… …………………………… 162
3.フォーラムとしての議会のもう一歩… ……………………… 168
第6章 多様性に基づいた討議こそ議会の存在意義… ……………… 170
1.政策の豊富化には多様性が不可欠… ………………………… 170
2.議会における多様性の課題… ………………………………… 171
3.フォーラムとしての議会における多様性の層… …………… 173
4.〈住民─住民〉関係の構築:住民によるゼミナールの構想と実践…… 177
5.フォーラムとしての議会の実践:議場外での三者間関係の模索…… 180
第7章 議会本体(議員)の多様性の意義と新たな動向… ………… 184
1.議会本体の多様性の意義… …………………………………… 184
2.女性の政治参加の重要性:多様性こそ民主主義の本質… … 191
3.多様性を促進する進展する改革… …………………………… 195
おわりに………………………………………………………………………… 201
索引… …………………………………………………………………………… 211
引用・参考文献……………………………………………………………… 213
著者略歴………………………………………………………………………… 217
コパ・ブックス発刊にあたって… …………………………………… 219

書評

掲載日:2024/6/1
掲載紙:議員研修誌 地方議会人 第55巻第1号 p.58
内 容:
 本書のタイトルにある「フォーラム」としての議会とは、何を意味するのか。そもそも「フォーラム」とは古代ローマの公共の広場のことだ。本書によれば、議会こそ住民・議員・首長によって構成される「討議空間」であるべきだという。  そのために最も必要なのは、著者によれば、議員の「質問力の向上」と「質疑力の充実」となる。それは議員個々人の努力だけにとどまらない。議会のせいどや運営を改革することによって、質問力・質疑力を向上させる手法の開発も可能かもしれないのだ。そしてこの議会改革の進展は「住民福祉の向上」へとつながっていく。  本書では各地さまざまな議会の取組みを紹介しており、その事例に触れるだけでも政策実現のための質問や質疑のヒントは得られるだろう。

発行日: 2024/02/05 第4246号
掲載誌: 自治日報 3面
内 容:
本書のテーマは一般質問。著者は、この本を活用し「議員のキラリと光る質問・質疑が充実することを期待している」とエールを送る。 本書は序章と全7章で構成。はじめに「質問・質疑力と議会力の相乗効果」に触れた上で、1~4章で「質問・質疑をチーム議会に活用する」重要性を説明する。5章からは議会の多様性を巡る動向などを紹介し、「質問・質疑を充実させるフォーラムとしての議会」について解説する。 著者は、一般質問を「議員の」から「議会の」へと転換させる必要があると指摘。一般質問の内容を議会全体の課題として取り上げる事例に関して、北海道芽室町の「政策形成サイクル」や岐阜県可児市の「委員会代表質問」、愛知県犬山市の「市民フリースピーチ」などの取組みを挙げている。

掲載日:2024/10/5

掲載紙:月刊 自治研 2024年10月号 第66巻781号 p.8

内 容:

フォーラムとしての

 自治体議会における議員の「質問力」について考え始めたのは、土山希美枝『質問力で高める議員力・議会力』(中央文化社、2019年)がきっかけだった。この度、議会の議論の場(フォーラム)における政策形成力に着目した「質問力」が著された。(本書)。  理屈はこうである。首長・執行機関と議会はよりよい政策形成、改善、目標について共同の責任を持つ。賛否、翼賛、拒絶の表明を超えて、政策のための提案がなされるべきだ。だから「質問」と「質疑」は異なる。質疑の「疑」は疑義を質すという意味でチェックである。一方「質問」は、二つの要件を必要とする。一つは市民の政策形成サイクルに参加する質問権を代表し代理すること。もう一つは議員間討議からの改善提案である。

新しい流れ

 理想論に聞こえるだろうか。本書には政策サイクルを意識した自治体議会の実例がたくさん収録されている。全体から見ればごく少数派かもしれないが、確かな流れが形成されつつあるようだ。  本書を読んでいたおかげで、ここのところの議会不祥事や首長との対立のニュースに少しだけ違う見方ができた。たとえば先の東京都知事選でも有名になった安芸高田市。議会だよりをもとにした報道が争点になっていた。本書でも議会広報のあり方が論点になっていたので、現物をのぞいてみた。当時の市長の主張は強引で根拠に乏しいように見える。

議会制度改革

 最近だと、自治制度の問題は地方自治法の(改正)問題が気になる。2017年の、監査制度、決算不認定の改正は大きな影響を与えたと思う。9月の決算議会を聞きながら本書を読み直してみた。一つは、決算委員会での「質問」はフォーラム形成とは別の理屈が必要なのではないかと感じた。もう一つは、フォーラム形成が難しい理由は、首長・議会の二元的(著者は「的」を入れる)代表制の機能不全なのではなく、もともと決算不認定の効果も認めなかったような「超強首長制」のためなのではないか。 本書では、住民・議員・首長にって構成される「フォーラムとしての議会」の意義を説く。フォーラムとしての議会を充実させるためにはPDDDCAサイクル(計画、実行、検証、改善)に新たに付け加えた「討議」と「決定」の二つのDを担うのは、議会の役割であると力説する。 フォーラムとしての議会は、住民・議員・首長の「総力戦」による縮小社会への対応や、議会改革の新展開、政治分野における多様性など、今の時代が要請していると強調。また、愛知県新城市の「市民まちづくり集会」を例に、フォーラムは議場に限らず「どこで開催されようと充実した討議が三者で行われることが重要」と訴える。 昨年のマニフェスト大賞の受賞結果を見ると、一般質問を政策形成に活かした取り組みが評価された。こうした新たな議会改革の動きをキャッチアップしていく上で必読の一冊だ。

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