掲載日:2011/02/01
掲載誌:ガバナンス 2011 2 No.118 p.134
内容:
日本の第1次地方分権改革とほぼ時を同じくして、英国でも分権改革が進められていた。政権交代を果たした労働党のブレア政権は、スコットランドとウェールズの議会創設、大ロンドン市の復活、国の出先機関の統合と地域会議の設立、住民自治の選択制導入など、大胆な改革を矢継ぎ早に実行している。
あれから10年、英国の分権改革はどう地域を変え、人々の生活や暮らしを変えたのか。当時、現地を取材したジャーナリストと研究者が再びスコットランドを訪れ、改革の成果を探ったのが本書だ。独自政策などにより、スコットランドでは分権の果実を地域の再生につなげている。日本の分権改革との比較も含め、興味深い報告といえる。
掲載日:2011/02/01
掲載誌:都市問題 2011 2 vol.102 p.124
内容:
日本とほぼ同時期に分権化に着手しながら、またたくまに改革をすすめたイギリス。なかでも、スコットランドは、1999年に議会を設立し、なかば独立的な地位を獲得した。改革から10年を経て、「自治・分権ジャーナリストの会」の記者らは現地取材を敢行。スコットランドにおけるその成果を、日本との比較を交えつつ、それぞれの視点で論じる。
分権のシンボル、スコットランド議会が置かれている古都エディンバラ。立法権を得た議会は、公共空間での禁煙や、キツネ狩り禁止をイングランドに先駆けて実施し、高齢者福祉を独自に完全無料化した。分権の成果は、地方のまちにも見て取れる。産業構造の変化に順応し、都市再生に挑んだグラスゴー、産業遺産の保存・再生を手掛け、まちの活性化につなげたニューラナーク、補助金依存の不安定さから脱すべく、地域住民が団結してウッドチップの生産に乗り出したケアンドー村などを紹介。厳しい財政状況の中でも、徹底した分権の実現が地方をどのように活性化させ、地域再生が可能になるのか、つぶさに感じ取ることができる。
掲載日:2011/01/28
掲載紙:自治日報 3面
内容:
日本の第一分権改革(2000年の分権一括法)と同時期、スコットランドではイングランドから”独立”し、スコットランドのことは自らが決める地方政府(議会)が発足した。本書は、同改革のその後10年の成果と課題を日本の分権改革と比較しながら解説した。
スコットランドは300年前まで独立国だっただけに、中央政府から押し付けられる様々な改革(民主主義の赤字)への反発が強く、住民投票で立法権を持つ議会を設置。外交・防衛・社会保障等を除くスコットランドの内政に関する多くの政策分野で独自立法が可能となった。その結果、禁煙法を全英に先駆けて施行したほか、大学の授業料無料化、キツネ狩りの禁止など独自施策を相次いで打ち出す。本書は、これらの経過を紹介するとともに、「都市再生に挑む自治体」「廃墟から世界遺産へ分権で変わった地方」「高齢者福祉が無料に」「自然エネルギーで世界最先端に」など分権改革の実態を現地ルポ。その上で、同改革の成果を「内政にかかわる大半の政策がスコットランド自身によって決めることができるようになったこと」と指摘。併せて、同改革が市民団体主導で進められるなど、わが国の地方六団体や経済界が中心となっている地方分権改革との違いも強調する。先行き不透明な日本の「地域主権改革」を別の視点から眺める上でも参考となる。
掲載日:2011/01/01
掲載誌:地方議会人 2011/1 第41巻8号
内容:
【本書の特色】
◎分権改革から10年のスコットランドがなしえたことは・・・
◎決定権を持った独自の議会こそ成果の源
●多様な視点から日本の改革10年と比較する
昨今、市民と議会や施著など関係機関が緊張する事態が注目されております。
分権改革から10年、議会が住民とどのような地域づくりをともに行うのか。
ジャーナリストの目から見て、スコットランドの10年と日本の文系ん改革の10年を対比して読みやすい内容となっています。